忘れ草 つみて帰らん 住吉の きしかたの世は
思ひ出もなし
平棟仲
思ひ出もなし
平棟仲
(わすれぐさ つみてかえらん すみよしの きしかた
のよは おもいでもなし)
のよは おもいでもなし)
意味・・住吉の岸辺に生えている忘れ草を摘んで帰ろう。
自分の過去によい思い出があれば忘れにくかろ
うが、過ぎ去った昔にはなんのよい思い出もな
いのだから。
自分の過去によい思い出があれば忘れにくかろ
うが、過ぎ去った昔にはなんのよい思い出もな
いのだから。
忘れ草が欲しい事例。
知人とのちよっとした感情の行き違いなど、忘
れてしまいたい事が沢山あるがなかなか忘れら
れない、忘れ草が欲しい・・。
注・・忘れ草=ユリ科の萓草(かんぞう)の古名。恋や
その他の苦しい思いを忘れる草といわれた。
きしかた=「岸かた」と「来しかた」の掛詞。
「来しかた」は過ぎ来し方の意で過去のこと。
きしかた=「岸かた」と「来しかた」の掛詞。
「来しかた」は過ぎ来し方の意で過去のこと。
作者・・平棟仲=たいらのむねなか。~1034。周防守・
従五位上。
従五位上。
出典・・後拾遺和歌集・1067。