浮世の月 見過ごしにけり 末二年
                   井原西鶴
                 
(うきよのつき みすごしにけり すえにねん)

前書・・辞世。人間50年の研(きわ)まり、それさへ我には
    あまりたるに、ましてや。

意味・・人生50年といわれているが、私はもう52年も生き
    てきたので、おしまいの2年間だけ浮世の月を余分
    に見過ぎたことになる。

    西鶴の辞世の句です。

 注・・浮世=楽しい世。
    見過ごし=月を余分に見過ごしたの意。つまり長生
     きし過ぎたの意。楽しい世であるからうっかり余
     分に生きたというもの。
    末二年=再晩年の二年間。

作者・・井原西鶴=いはらさいかく。1642~1693。
大阪の
    町人に生まれる。「好色一代男」の作者。一昼夜に
    23500句を吟じたという。

出典・・西鶴置土度(おきみやげ)(小学館「近世俳句俳文集」)