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夏河を 越すうれしさよ 手に草履  
                    蕪村

(なつかわを こすうれしさよ てにぞうり)

意味・・流れも浅い夏の川を、手に草履を持って
    はだしで渡っている。底砂の冷たい感触
    も快く、このような水遊びが出来ること
    に嬉しくなってくる。

    画業で丹後にいた38歳から41歳ごろに詠
    んだ句と言われています。
    お金を儲けた嬉しさ、競争に勝った時の嬉
    しさなど世俗的な嬉しさではなく、運動を
    した時の心地よさを感じた時の嬉しさ、冷
    たい水に入った生理的な快感を得た嬉しさ、
    小鳥の鳴き声を聞いた時の嬉しさなど離俗
    的な喜びを詠んでいます。

 作者・・蕪村=ぶそん。与謝蕪村。1716~1783。
    南宋画の大家。

 出典・・あうふう社「蕪村全句集」。