かかる世に かげも変らず すむ月を 見る我が身さへ
恨めしきかな            
                  西行

(かかるよに かげもかわらず すむつきを みるわがみ
 さえ うらめしきかな)

意味・・戦乱の続く世に、常に変る事のない光を放っている
    月が恨めしいことだ。そしてこの世を見てどうしょ
    うも出来ない我が身までも恨めしく思われることだ。

    戦乱の続く世に、変らぬ平和な光を放つ月を羨まし
    く思い、何も出来ない自分を恨めしい思いで詠んだ
    歌です。

 注・・かかる世=このような世。前書きにより、保元の乱
     が起き、崇徳院が思いもよらぬ事に負けてしまい、
     出家してしまった、このような世。

    保元の乱=1156年に皇位継承問題や摂政家の内紛に
     より朝廷が後白河天皇方と崇徳上皇 方に分裂し、
     双方の武力衝突に到った政変。

作者・・西行=1118~1190。

出典・・歌集「山家集・1227」。