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とんぼ釣り 今日はどこまで 行ったやら
                      千代女 
 
(とんぼつり きょうはどこまで いったやら)
 
意味・・夏のたそがれに千代が針仕事をしていると、もう
    日も暮れかかって来た。子供はまだ帰らないが、
    いつもならもう帰る頃だが・・と思って、傍らに
    子供のいないのをもの寂しく感じた時に、子供が
    帰って来る。
    「今日はお前、いつもより遅いじゃないか」と尋
    ねると、
    「今日はとんぼ釣りして、どこどこまで追いかけ
    て行った」と物語ったことが折々あった。
    だから、のちにこの子が亡くなって、待っても待
    っても帰って来ない時、今日はまたどこまで行っ
    たであろうかと、子供が側にいないのを寂しくな
    り、ふと思う。

作者・・千代女=ちよじょ。1703~1775。加賀(石川県)
    松任の表具師の娘。俳句は各務支考(かがみしこう)
    に師事。
 
出典・・新渡戸稲造著「自分をもっと深く掘れ」。