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盗人にとり残されし窓の月
               良寛

(ぬすびとに とりのこされし まどのつき)

詞書・・五合庵へ賊の入りたるあとにて。

意味・・泥棒が庵に入って来た。しかし庵の中には
    目ぼしい物は一つもない。やむを得ず泥棒
    は、役にもたたない物を手にして帰った。
    泥棒を思いやって窓から外を眺めると、た
    だ盗り忘れられた月だけが、明るく輝いて
    いることだ。

    盗る物がなく泥棒が感じた悲しみを見ると、
    可哀そうな泥棒だ。役に立つ物は無いが、
    お月さんなら提灯代わりになるものを、盗
    り忘れている。

    良寛のおおらかさ、博愛の気持ちがにじみ
    出ています。

作者・・良寛=りょうかん。1758~1831。越後の
     神官の子として生まれる。18歳で曹洞宗光
    照寺に入山

出典・・谷川敏朗著「良寛全句集」。