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      「月見ればちぢにものこそ悲しけれ・・」でも頓着せずに輝く月

見る人の 心こごろに まかせおきて 高嶺に澄める
秋の夜の月
                  鈴木弘恭

(みるひとの こころごころに まかせおきて たかねに
 すめる あきのよのつき)

意味・・同じ月であっても、見る人によって感想はそれ
    ぞれに違っている。皓々(こうこう)たる名月を
    喜ぶ者もあれば、またかえってこれを嫌う者も
    ある。盗賊とか駆け落ちとか、人目を忍び暗い
    所で仕事をする人には邪魔な名月でも、文士は
    波に砕けて黄金に映じると言ってこれを愛賞す
    る。見る人の心々に違って映るけれども、月は
    いつも皓々として輝いている。人が何と思うと
    も、すこしもそれに頓着しないで輝いている。

作者・・鈴木弘恭=1843~1897。御茶の水大学で国文
    学を教える。
    
出典・・新渡戸稲造著「自分をもっと深く掘れ」。