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             富嶽三十六景・葛飾北斎画

旅と言へば 言にぞ易き 術もなく 苦しき旅も
言にまさめやも     
                 中臣宅守
              
(たびといえば ことにぞやすき すべもなく くるしき
 たびも ことにまさめやも)

意味・・旅と口先で言うのはたやすい。しかし、どうしょう
    もなく辛(つら)く苦しいこの旅も、所詮は旅としか
    いい表わしょうがない。

    どんなことでも表現は容易なものだが、表現出来な
    いような苦しいこともある。こんどの旅がそれであ
    る、という気持ちを詠んでいます。

 注・・術もなく=どうしょうもない。
    まさめ=勝め。抜きんでいる。
    やも=詠嘆を伴って反語を表す。・・だろうかな、
     いや・・ではない。

作者・・中臣宅守=なかとみのやかもり。生没年未詳。763年
    に従五位になる。奈良時代の後期の歌人。

出典・・万葉集・・3763。