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白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも
染まずただよふ    
               若山牧水

(しらとりは かなしからずや そらのあお うみの
 あおにも そまずただよう)

意味・・雲ひとつない空の青、深々と澄み渡った海の
    青にも染まらずに漂う。この白鳥の姿は哀し
    いではないか、まことに、えも言われぬ哀歓
    を誘うことだ。孤独な白鳥よ。

    世にまじることのない清純な魂、高い志、青
    春多感な牧水の自らの憧憬を、白鳥に託して
    詠んでいます。

 注・・白鳥=白い鳥。鴎の類の海の白い鳥。
    哀しからずや=「や」は反語を表す係助詞。
     哀しくはないか、いや哀しい。
    ただよふ=波の上に浮かんだり、ゆるやかに
     飛翔するさま。

作者・・若山牧水=1885~1928。早稲田大学英文科
     卒業。自然主義歌人と評されている。

出典・・歌集「海の声」(笠間書院「和歌の解釈と鑑賞
    辞典」)