いつの日か昔語りに五月闇
                 恵好灯

(いつのひか むかしかたりに さつきやみ)

意味・・梅雨時の闇のように、つらい日々を送っていたと
    しても、いつかは必ず、昔話になって語り合う事
    が出来ます。生き続けましょう。

    参考歌です。
   「ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと
    見し世ぞ 今は恋しき」    (意味は下記参照)

 注・・五月闇=五月雨(梅雨)の頃、陰鬱でどんよりと暗い
     昼や月の出ない闇夜。

作者・・恵好灯=詳細未詳。

参考歌です。

ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しとみし世ぞ
今は恋しき                  
                    藤原清輔
          
(ながらえば またこのごろや しのばれん うしとみし
 よぞ いまはこいしき)

意味・・この先、生きながらえるならば、つらいと感じている
    この頃もまた、懐かしく思い出されることだろうか。
    つらいと思って過ごした昔の日々も、今では恋しく
    思われることだから。

 注・・憂し=つらい、憂鬱。

作者・・藤原清輔=ふじわらのきよすけ。1104~1177。

出典・・新古今和歌集・1843、百人一首・84。