ぼたん切って 気のおとろひし ゆふべかな  
                       蕪村

(ぼたんきって きのおとろいし ゆうべかな)

意味・・花の王といわれる牡丹が美しく咲いた。活け花に
    して楽しもうか、切らずにこのままで楽しもうか
    と、あれこれと考えたあげく活け花にすることに
    した。蕪村流といえるような活け花に仕上げ終えた。
    その後は緊張感が一気に萎(な)えてしまった。

    高浜虚子の「十五代将軍」という小説の中で徳川
    慶喜(よしのぶ)に呼ばれて俳句を講じている時、
    この句を言うとすごく感銘したという。徳川三百
    年の大政を奉還した時の気持が「気のおとろえし」
    だったのです。

作者・・蕪村=ぶそん。与謝蕪村。1716~1783。

出典・・おうふう社「蕪村全句集」。