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          位により着る布の色が違っていた

思ひきや 君が衣を ぬぎかへて 濃き紫の
色を着むとは
                藤原師輔

(おもいきや きみがころもを ぬぎかえて こき
 むらさきの いろをきんとは)

意味・・あなたが今までの四位が着る衣を脱ぎ換えて
    三位になって濃い紫の衣を着ようなどとは思
    いもしませんでしたよ。

    庶明(もろあき)朝臣が中納言になった時に詠
    んだ歌です。中納言昇進には右大臣の師輔が
    大きな役割を果たしのであろうが、その援助
    を表面に出さず、「思ひきや」(予想もしなか
    った)と言ったものです。

 注・・思ひきや=思ったであろうか、全く思いもし
     なかった。
    濃き紫=三位の位の人が着る衣の色。
    庶明=源庶明。951年53歳で没。中納言従三
     位。

作者・・藤原師輔=ふじわらのもろすけ。960年60歳
    で没。右大臣。

出典・・後撰和歌集・1111。