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                  芦

みしま江に つのぐみわたる 芦の根の ひとよのほどに
春めきにけり        
                   曽禰好忠

(みしまえに つのぐみわたる あしのねの ひとよの
 ほどに はるめきにけり)

意味・・見ると三島江一帯に芦が芽を出し始めている。
    まるで芦の根の一節(ひとよ)とでもいうように、
    ほんの一夜のうちに春らしくなったことだ。

 注・・三島江=大阪府高槻市淀川沿いのあたり。
    つのぐむ=角ぐむ。草木の新芽が角のように
    出始める。
    芦の根の=芦の芽が根より出始めた状態。
    ひとよ=「一夜」と「一節」を掛ける。節(よ)
     はふしとふしの間をいう。

作者・・曾禰好忠=そねのよしただ。生没年未詳。985
    年頃に活躍し人。

出典・・ 後拾遺和歌集・42。