山の端に あぢ群騒ぎ 行くなれど 我は寂しゑ
君にしあらねば
(やまのはに あじむらさわぎ ゆくなれど われは
さぶしえ きみにしあらねば)
意味・・山際をあじ鴨が群れ鳴いて、騒ぎ飛行くように、
多くの人が通り過ぎて行くけれども、私は寂しゅ
ございます。その人々はあなたではありません
から。
亡き人を恋慕った歌です。
この歌の長歌です。
広い国土には人がいっぱいに満ち満ちて、まるで
あじ鴨の群れのように、乱れて行き来するけれど、
どの人も私のお慕いるあの方ではないものだから、
恋しさに、昼は昼とて暗くなるまで、夜は夜明け
まであなたを思い続けて、眠れないままにとうとう
一夜を明かしてしまった。長いこの夜なのに。
作者ははっきりせず、女性が詠んだ歌といわれ
ている。
注・・あぢ=小型の鴨であじ鴨。
ゑ=嘆きをこめた感動を表す助動詞。
作者・・舒明天皇=じょめいてんのう。34代天皇。
作者ははっきりせず、女性が詠んだ歌といわれ
ている。
注・・あぢ=小型の鴨であじ鴨。
ゑ=嘆きをこめた感動を表す助動詞。
作者・・舒明天皇=じょめいてんのう。34代天皇。
出典・・万葉集・486。
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