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奥 山の 岩垣もみぢ 散りはてて 朽葉がうへに
雪ぞつもれる       
                 大江匡房

(おくやまの いわがきもみじ ちりはてて くちば
 がうえに ゆきぞつもれる)

意味・・奥深い山の岩垣の紅葉はすっかり散って、朽
    葉の上に雪が積っている。

    人知れず紅葉は散り、人知れず雪が降る様を
    詠み、自分も人知れずに努力している事を暗
    示している。

 注・・岩垣もみぢ=四方を囲むように、岩の壁をに
     這う葛の類の紅葉、また岸壁に根を下ろし
     た木の紅葉。山里にこもっている自分をた
     とえている。

作者・・大江正房=おおえのまさふさ。1041~1111。
    正二位権中納言。

出典・・詞歌和歌集・156。