夕月夜 をぐらの山に 鳴く鹿の 声のうちにや 
秋は暮るらむ  
                紀貫之

(ゆうづきよ おぐらのやまに なくしかの こえの
 うちにや 秋はくるらん)

意味・・夕月夜を思わせるなんとなく暗い小倉山で鹿が
    寂しそうに鳴いている。あの声とともに秋は暮
    れて行くのだろうか。

    秋の終わりの寂しさを鹿の声で表わしています。

 注・・夕月夜=夕方西の空に見えるかすかな月の意味
     で、ここは小倉山の枕詞。
    小倉山=京都大堰川の北にあり嵐山と対をなす。
    声のうちにや=声のしているうちに。
 
作者・・紀貫之=きのつらゆき。868~945。従五位・
    土佐守。古今和歌集の撰者。古今集の仮名序を
    著す。
 
出典・・古今和歌集・312。