大方の 秋の別れも 悲しきに 鳴く音な添えそ
野辺の松虫
               六条御息所
               
(おおかたの あきのわかれも かなしきに なくね
 なそえそ のべのまつむし)

意味・・一般的な秋との別れも悲しいのに、そのうえ
    私はあなたと別れねばならない。野辺の松虫
    よ、鳴き声を加えていっそう悲しませないで
    ほしい。

    光源氏が情が冷めて別れる時に六条御息所が
    詠んだ歌です。

 注・・大方=一般的に、だいたい。 

作者・・六条御息所=ろくじょうおんそくしょ。源氏
    物語・賢木の巻きに出て来る光源氏のかって
    の恋人。
 
出典・・風葉和歌集・1122。