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秋山の 樹の下隠り 行く水の 我こそ増さめ
思ほすよりは
               鏡王女

(あきやまの このしたがくり ゆくみずの われこそ
 まさめ おもおすよりは)

意味・・秋の山の木の下は、落葉に埋れています。その
    下深く隠れて、ひそかに流れて行く水、つまり
    隠水(こもりず)のように、たとえ表面にこそ出
    なくても、あなたが私を思ってくださるよりは、
    私があなたをお慕いする、その心のほうがずっ
    とまさっているのです。表だって声を大きくし
    て、あなたを愛しています、なんて言いはしま
    せんけど、ほんとうは、あなたより私のほうが
    あなたを愛しているのです。
 
 注・・思ほす=愛する、恋慕う。

作者・・鏡王女=かがみのおうきみ。645年頃の人。額
    田王の姉といわれている。藤原鎌足の正妻。

出典・・万葉集・92。