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夕顔の 棚つくらんと 思へども 秋まちがてぬ
我いのちかも
                                             正岡子規

(ゆうがおの たなつくらんと おもえども あきまち
 がてぬ わがいのちかも)

意味・・夕顔の棚を作ろうと思うけれども、その夕顔の
    実がなる秋を待つことも難しい自分の命だろう。

    夕顔は、広く大きな葉をつけて棚に這わせれば
    日よけにもなる。花は白く、実は大きく垂れて 、
    干瓢を作る。例年夕顔の棚を作ったのであろう。
    今年もその季節になったのである。そこで棚を
    作ろうと思うのだが、我が命は、秋まではどう
    かというのである。
  
 注・・夕顔=うり科ひょうたん属。夏の夕方に白い花
     が咲く。実の果肉を干したものが干瓢。
    秋まちがてぬ=夕顔の実のなる時としていった
     もの。待ちがたい、待つことが出来ない。

作者・・正岡子規=まさおかしき。1876~1902。35歳。
    東大国文科中退。

出典・・歌集「竹の里歌」。