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われさりて 後に偲ばん 人なくは 飛びて帰りね
たか島の石
                 高弁上人 

(われさりて のちにしのばん ひとなくは とびて
 かえりね たかしまのいし)

意味・・私が死んだ後に、私のようにお前を賞玩(しょう
    がん)してくれる人がいなかったら、その鷹とい
    う名のように空を飛んで帰ってしまいなさい、
    鷹島の石よ。

    故郷の近くの島から拾った石を座右に置いて愛
    でていた。この石を自分のように大事にする後
    継者のいない事を秘かに想定し、思いを詠んだ
    歌です。
    伏見院は、この石の容器として金色漆箱を作り、
    その表面にこの歌を書いて高山寺に寄進した。

    骨董品を収集している親が、その価値を知らな
    い子が、自分の亡き後に二束三文で手放す事を
    心配している状況です。

 注・・たか島=和歌山県広川町の沖にある鷹島。鳥の
     鷹を掛ける。

作者・・高弁上人=こうべんしようにん。明恵上人のこ
    と。1173~1232。栂尾の高山寺を復興した。

出典・・玉葉和歌集。