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悲しさよ まさりにまさる 人の世に いかに多かる
涙なりけり
                  伊勢

(かなしさよ まさりにまさる ひとのよに いかに
 おおかる なみだなりけり)

意味・・どうしてこんな悲しい事が続き、前の悲しみ
    より次の悲しみは、どうしてこんなに深くな
    るのか。私はこの人生に、いったい、どれ程
    の涙を流せばいいのだろう。

作者・・伊勢=生没年未詳。宇多天皇の皇后に仕える
     女官。皇后の弟と恋仲になるが恋人に捨て
     られる。宇多天皇との間に子供が生まれた
     が引き離された。その子は5歳で亡くなっ
     た。天皇の死、そして天皇の親王と恋仲に
     なり子供を生む。このような波乱万丈の人
     生を送る。

出典・・清川妙著「人生をたのしむ言葉」。