何をして 身のいたづらに 老いぬらん 年の思はむ
ことぞやさしき
ことぞやさしき
詠人知らず
(なにをして みのいたずらに おいぬらん としの
おもわん ことぞやさしき)
意味・・私はいったい何をして、このようにむなしく年
(なにをして みのいたずらに おいぬらん としの
おもわん ことぞやさしき)
意味・・私はいったい何をして、このようにむなしく年
老いてしまったのだろうか。一緒に過ごして来
た年が、私のことを何と思っているであろうか
と、年に対して恥ずかしいことである。
とりたてて言えるような事は何もなく、むなし
く年老いたと、過去を顧みた歌です。
注・・いたづらに=無用の状態に、むだに。むなしく。
やさしき=恥ずかしい。
注・・いたづらに=無用の状態に、むだに。むなしく。
やさしき=恥ずかしい。
出典・・古今和歌集・1063。
感想・・「身のいたづらに老いぬらん」は充実感のある
生活をしなくて老いてしまった、何の実績も無
く虚しく生きて来たということだろうか。
要するに、充実した生活、虚しくない生き方を
したいと、詠んだ歌だと思います。
下積みの生活をしていて、その日の生活が精一
杯の人が、食うために働く。力一杯働く。自分
の時間も無い。この人は不幸せであろうか。
虚しい生き方をしている人であろうか。
私は幸せな人と思います。力一杯働いている以
上、充実した生活をしている人だと思います。
苦労せずとも標準以上の生活出来る人。この人
は楽が出来て自分の時間も持てる人です。
このような人は幸せな人だろうか。
自分の時間を有効に使わなければ、充実感が少
なく、時には虚しい思いになるのではなかろう
か。こんな場合は不幸せだと思います。
虚しい思いになるかどうかは、自分の持てる力
を力一杯発揮出来たかどうかのような気がしま
す。充実した生活も何かに打ち込んだ姿にある
のではないだろうか。
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