日々日々に時雨の降れば人老いぬ
                     良寛 
 
(ひびひびに しぐれふれば ひとおいぬ)
 
意味・・このところ、毎日毎日冷たい時雨が降っては
    通り過ぎてゆくので、気持ちまで晴れること 
    がない。そため、急に年をとってしまったよ
    うに、衰えたことだ。
 
          こんな事ではだめなんだぞ、という歌です。
            昔から、成功した人で、しょんぼりして背中
    をすぼめて歩いている人はいない。どんなに
    苦しい時でも、どんなに辛い時でも、元気い
    っぱい胸を張って歩いている。ちょっと物事
    がうまくいかなかったり、失敗したからとい
    って落ち込んだり、くよくよ考えたりしてい
    てはいけない。いつでも胸を張っていなけれ
    いい仕事は出来ない、と。
 
 注・・人老いぬ=雨にぬれまいとして、前かがみに
     なった人物の表現。年をとる、衰えるの意
     味も兼ねている。
 
作者・・良寛=1758~1831。
 
出典・・谷川敏朗著「良寛全句集」。
 
感想・・失敗したら多くの人が落ち込み、くよくよする
    ものです。くよくよせず元気に胸を張れたら言
    ことはないが。
    失敗した時、失敗は誰でもする。自分の失敗は
    小さい小さいと思えば気も楽になるかも知れな
    い。
    超優良企業であったシャープが社長の失敗で倒
    産の瀬戸際に立たされている。
    液晶事業の将来を見誤って過大な設備投資をし
    た失敗です。
    この失敗に比べたら、少々の失敗は小さなもの
    です。
    失敗は誰でもするものです。失敗したからと言
    って背中を丸めて、しょぼしょぼ歩くような事
    はしたくないものです。
    その為には、失敗から何かを学び取ろうという
    姿勢が大事です。
    失敗の原因を調べる。失敗した同じ状況になら
    ないように考える。
    そして以前より進歩したと自覚出来れば、元気
    が出て胸が張れるものです。