勅なれば 思ひな捨てそ 敷島の 道にものうき
心ありとも
                二条良基
          
(ちょくなれば おもいなすてそ しきしまの みちに
 ものうき こころありとも)

意味・・勅命であるので和歌の道を思い捨ててはいけない。
    たとえ和歌の道につらいことがあったとしても。

          物事を進めるのに大事なのは自発的な心である。
    でも自発心は嫌になれば止めてしまうものである。
    が、命令となれば続けざるを得ない。志に折れる
    気持ちになった時は、命令だと思って続ける事で
    ある。

 注・・勅=天皇が下す命令。
    な・・そ=禁止の意を表す。
    敷島の道=和歌の道、歌道。

作者・・二条良基=にじょうのよしもと。1320~1388。
    関白右大臣。南北朝期の歌人。

出典・・新続古今和歌集(小学館「中世和歌集」)


感想・・○○をやりたいと志を立てる。予定通り上手く
    行けばいいが、上手く行くと限らない。そんな
    時には挫(くじ)けたくなるものです。

    例えば私の場合、マラソンを完走したいと志を
    持っています。でも今はその為の練習が思うよ
    うに行かない。雨が降っている、暑い、寒い、
    疲れが残っている、息が切れる、どこどこが痛
    む・・と練習の邪魔になるものが多い。
    そして今日は止めた、となっている。

    ピンチはチャンスといいます。
    
    私が直面するピンチを、映画ならどうするか。
    言って見れば映画で一番おいしい所です。
    大変な所に直面する。そこを一生懸命にやり遂
    げる所にドラマは面白い。

    経営者の言葉に「金が欲しい時に金を追うな、
    人を追え」という発想の転換の言葉があります。
    人を追うというのは人を捕らえる事ではなく、
    人を喜ばす事です。そして人を集める、お客で
    も従業員でも。
    私の気持ちはマラソンの完走。でも上手く行か
    ない。
    今は「マラソンの完走を追うな、健康を追え」
    に切りかえている。健康であり体力があれば完
    走出切ると思っている。
    そして、マラソンの練習は走る事だけだと思わ
    なくなった。
    雨が降った時、疲れている時・・、それにあっ
    た運動をしている。
    映画の主人公ならどうするだろうか、と考えな
    がら。