思ふ人 ありとなけれど 故郷は しかすがにこそ
恋しかりけれ      
                能因法師

(おもうひと ありとなけれど ふるさとは しかすがに
 こそ こいしかりけれ)

詞書・・しかすがの渡し場で詠みました歌。

意味・・思う人がいるというわけでもないけれど、
    故郷はなんといってもやはり恋しく思われ
    ることだ。

 注・・しかすがに=然すがに。しかしながらやはり。
    しかすがの渡し場=愛知県宝飯郡豊川の渡場。

作者・・能因法師=のういんほうし。988~ 。中古
    三十六歌仙の一人。

出典・・後拾遺和歌集・517。

感想・・兎追いしかの山
    子鮒釣りしかの川
    夢は今もめぐりて
    忘れがたき故郷

    子供の頃に育った故郷は懐かしい。めだかや
    どじょうを捕まえて遊んだ頃が思い出される。

    思えば小学生の時もあり、中学生、高校生の
    時もあった。それなりの良い時代を思い浮か
    べると懐かしいものです。
    就職し、結婚して、子供を育てる、その時々
    は苦労して来たものであるが、現在の結果を
    見ると、全部いい思い出である。
    
    時を刻む砂時計がある。落ちて行く砂が積も
    って行く。時が積もって行くようだ。
    時が心に身体に積もって行く。
    いい思い出が、一日一日生きた思い出が積も
    って行く。
    砂時計のように、頑張った思い出が積もって
    いる。

    これからも、楽しい事も悩む事もあるが、後
    日、思い出せば、あの時は良く頑張ったと思
    うだろう。頑張ったと思えるように、今ある
    苦労に押しつぶされないように、生きて行き
    たいと思います。