花は散り その色となく ながむれば むなしき空に
春雨ぞ降る
                  式子内親王
          
(はなはちり そのいろとなく ながむれば むなしき
 そらに はるさめぞふる)

意味・・桜の花は散って、何を眺めるというのでもなく、
    しみじみとした思いで眺めると、何もない空に
    春雨が降っていることだ。

     時は平安時代から鎌倉時代に移る時代であり、
    貴族の世から武家の世に移って行く寂寥(せき
    りょう)感が詠まれています。
    桜が散り春の終りを見た式子内親王は、その
    事によって「王朝」の終焉を感じています。
    又、しい恋をした自身の人生も終局を迎え
    ていると感じている

 注・・その色となく=「そのこととなく」と同じ。
     何を眺めるというのでもなく。
    むなしき空=虚空。大空、何もない空。「空
     しい」を掛ける。

作者・・式子内親王=しょくしないしんのう。1153頃
    ~1201。後白河上皇の第二女。家集「式子内
    親王集」。

出典・・新古今和歌集・149。

感想・・最近体力が衰えて寂しいものです。
    例年ならマラソン大会を申し込み、それに向け
    て練習をしている頃である。
    現在は走れなくなり大会は申し込んでいない。
    マラソン仲間と一緒に走るのが楽しみであった
    が、それが出来なくなった。
    大会が近づくと、昔その大会に出ていた事が偲
    ばれて来る。走る仲間と一緒に走った事が思い出
    されて来る。
    花が散った後、それとなく空を眺めると、空か
    らはただ春雨が降っているだけで、一緒に走り
    ましようか、という誘いもない。寂しさが募っ
    て来るばかりだ