ちち君よ 今朝はいかにと 手をつきて 問ふ子を見れば
死なざりけり
落合直文
死なざりけり
落合直文
(ちちきみよ けさはいかにと ておつきて とうこを
みれば しなざりけり)
みれば しなざりけり)
意味・・「お父様、けさはご機嫌いかがですか」と畳の
上にかしこまり、手をついて、朝の挨拶をする
わが子を見ると、かりそめの病に臥している我
が身ながら、これくらいのことでは死なれない、
もっともっと長生きせねばこの子たちがかわい
そうだという気持ちがひしひし起こってくる事
だ。
上にかしこまり、手をついて、朝の挨拶をする
わが子を見ると、かりそめの病に臥している我
が身ながら、これくらいのことでは死なれない、
もっともっと長生きせねばこの子たちがかわい
そうだという気持ちがひしひし起こってくる事
だ。
注・・いかにと=「おはしますか」等の句を省略。
作者・・落合直文=おちあいなおふみ。1861~1903。
明治21年「老女白菊の花」を発表して国文学の
普及に尽くす。
明治21年「老女白菊の花」を発表して国文学の
普及に尽くす。
出典・・学灯社「現代短歌評釈」。