世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも
鹿ぞ鳴くなる
藤原俊成
(よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまの
おくにも しかぞなくなる)
意味・・世の中は逃れるべき道がないのだなあ。
隠れ住む所と思い込んで入った山の奥
にも悲しげに鳴く鹿の声が聞こえる。
俗世の憂愁から逃れようと入った奥山
にも安住の地を見出せなかった失望感
鹿ぞ鳴くなる
藤原俊成
(よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまの
おくにも しかぞなくなる)
意味・・世の中は逃れるべき道がないのだなあ。
隠れ住む所と思い込んで入った山の奥
にも悲しげに鳴く鹿の声が聞こえる。
俗世の憂愁から逃れようと入った奥山
にも安住の地を見出せなかった失望感
を、哀切な鹿の鳴き声に託して詠んで
います。
注・・道こそなけれ=逃れる道はないのだ、
の意。「道」には、てだて、手段の
います。
注・・道こそなけれ=逃れる道はないのだ、
の意。「道」には、てだて、手段の
気持がこめられている。
作者・・藤原俊成=ふじわらのとしなり。1114
作者・・藤原俊成=ふじわらのとしなり。1114
~1204年没。正三位皇太后大夫。「千
載和歌集」の撰者。
出典・・千載和歌集・1151、百人一首・83。