名歌鑑賞のブログ

心に残る名言、名歌・名句鑑賞

2018年02月

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たのしみは 意にかなふ 山水の あたりしづかに
見てありくとき
                橘曙覧

(たのしみは こころにかなう さんすいの あたり
 しずかに 見てありくとき)

意味・・気に入った山や川など、美しい景観を求めて、
    大自然の中をひとり静かに見てまわる、こん
    な時、なんとも言えない楽しい気分になれる
    ものだ。

 注・・山水=山・川・谷などがある静かで趣きのあ
     る自然の景観。

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。
    く父母と死別。家業を異母兄弟に譲り隠棲。
    福井藩の重臣と交流。

出典・・独楽吟。


忘れない 空き地になつた あの場所に 人の暮らしが
あったということ
                   宮崎光花

(わすれない あきちになった あのばしょに ひとの
 くらしが あったということ)

意味・・今は津波の後も片づけられた何もない場所に、
    またその地域に、かっては多くの人の生活が存
    在していたこと。それはどんなに土地の形が変
    わっても忘れてはいけないことだと思います。

    2011年3月11日の東日本大地震の津波で家が流
    がされた災害を詠んでいます。

作者・・宮崎光花=みやざきみつか。宮城県仙台市。


たのしみは ほしかりし物 銭ぶくろ うちかだふけて
かひえたるとき
                  橘曙覧

(たのしみは ほしかりしもの ぜにぶくろ うち
 かたぶけて かいたるとき)

意味・・一目見たとたん、気に入ってしまった。どうして
    もどうしても欲しい。財布の底をすっかりはたい
    て、とうとうそれを買い求めてしまった。こんな
    時こそなんとも言えずに楽しい気分になるものだ。

 注・・うち接頭語。

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。く父
    母と死別。家業を異母兄弟に譲り隠棲。福井藩の
    重臣と交流。

出典・・独楽吟。


たのしみは 尋常ならぬ 書に画に うちひろげつつ
見もてゆく時
                 橘曙覧

(たのしみは よのつねならぬ ふみにえに うち
 ひろげつつ みもてゆくとき)

意味・・非凡な芸術家の傑出した書や絵画作品を部屋
    いっぱいに広げ、無我夢中になって見続ける。
    こんな時こそなんとも言えず楽しくなってく
    るものだ。

 注・・もてゆく=どんどん・・していく、・・し続
     ける。

作者・・橘曙覧=たちばなあけみ。1812~1868。
    く父母と死別。家業を異母兄弟に譲り隠棲。
    福井藩の重臣と交流。

出典・・独楽吟。

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                                四万十川

四万十に 光の粒を まきながら 川面をなでる
風の手のひら
                俵万智

(しまんとに ひかりのつぶを まきながら かわもを
 なでる かぜのてのひら)

意味・・四万十川、そのゆったりとした川の流れに日差し
    が明るく降り注ぎ、反射した陽光がきらきらと美
    しく輝いている。そよ風が、おだやかな川面をや
    さしくなでるように吹くと、川面には無数の光の
    粒が撒(ま)かれ、生き生きと煌(きらめ)いて
    いる。

 注・・四万十=四万十川。高知県と愛媛県境の山々の水
     を集めた清流。192㌔を流れ、土佐湾に注ぐ。

作者・・俵万智=たわらまち。1962~ 。早稲田大学卒。
    佐々木幸綱と出会い作歌を始めた。

出典・・歌集「サラダ日記」。

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