朝床に 聞けば遙けし 射水川 朝こぎしつつ 
唱ふ舟人       
               大伴家持

(あさとこに きけばはるけし いずみがわ あさこぎ
 しつつ うたう ふなびと)

意味・・朝、床の中で耳を澄ましていると、射水川を
    漕ぎながら唱(うた)っている舟人の歌声が遙
    か遠くでするよ。

    越中(富山県)に単身赴任している時に詠んだ
    歌です。
    単身赴任の寂しさを、遠くから聞こえてくる
    舟人ののどかな歌が、その寂しさを一層掻き
    立てていてます。

 注・・射水川=富山県高岡市周辺を流れる川。

作者・・大伴家持=おおとものやかもち。718~785。
    万葉集後期の歌人。

出典・・万葉集・4150。