年ふれば あれのみまさる 宿の内に 心ながくも
すめる月かな
善滋為政
すめる月かな
善滋為政
(としふれば あれのみまさる やどのうちに こころ
ながくも すめるつきかな)
ながくも すめるつきかな)
意味・・年月を重ねたので、荒れることばかりがひどく
なってしまっている家の中に、気長くも差し込
んで、よく澄んで住みついる月だなあ。
なってしまっている家の中に、気長くも差し込
んで、よく澄んで住みついる月だなあ。
戦乱や病気などで大黒柱を失った屋敷は修理が
ままならず、荒れ放題になってしまった。その
結果月が差し込むような状態になり、さびれた
家を悲しんで詠んでいます。
ままならず、荒れ放題になってしまった。その
結果月が差し込むような状態になり、さびれた
家を悲しんで詠んでいます。
注・・年ふれば=年月がたったので。
宿=住居、家屋。宿の内は家の中。
心ながく=気が長い。長く気持ちが変わらない。
すめる=「澄める」と「住める」の掛詞。
宿=住居、家屋。宿の内は家の中。
心ながく=気が長い。長く気持ちが変わらない。
すめる=「澄める」と「住める」の掛詞。
作者・・善滋為政=よししげのためまさ。生没年未詳。
従四位上・文章博士。
従四位上・文章博士。
出典・・後拾遺和歌集・833