奈呉の海に 舟しまし貸せ 沖に出でて 波立ち来やと
見て帰り来む
田辺福麻呂
見て帰り来む
田辺福麻呂
(なごのうみに ふねしましかせ おきにいでて なみ
たちこやと みてかえりこん)
たちこやと みてかえりこん)
意味・・誰かあの奈呉の海に乗り出す舟を、ほんの
しばらくでよいから貸して下さいませんか。
沖まで出て行って、もしや波が立ち寄せて
くるかと見て来たいものです。
しばらくでよいから貸して下さいませんか。
沖まで出て行って、もしや波が立ち寄せて
くるかと見て来たいものです。
福麻呂が使者として、越中(富山県)にいる
大伴家持の家に訪ねた時に挨拶の歌として
詠んだものです。
海のない山国の奈良から来た人なので、海
に対する好奇心を示しています。
大伴家持の家に訪ねた時に挨拶の歌として
詠んだものです。
海のない山国の奈良から来た人なので、海
に対する好奇心を示しています。
注・・奈呉の海=富山県高岡市から新湊市にかけ
ての海。
しまし=暫し。しばし。
ての海。
しまし=暫し。しばし。
作者・・田辺福麻呂=たなべのふくまろ生没未詳。
741年頃活躍した宮廷歌人。
出典・・万葉集・4032。
741年頃活躍した宮廷歌人。
出典・・万葉集・4032。